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フレックスタイム制の導入には、どんなメリット・デメリットがあるのか?
働き方改革の流れで導入する企業も増えているフレックスタイム制ですが、何がメリットなのか分からない人も多いと思います。
今回はメリットの中でも”科学的な根拠のあるもの”をベースにしてまとめました。
また、デメリットで考えられるものは、本当に問題となるのかについても解説していきます。
みんなが決まった時間で働くことに違和感を感じる人や、導入を検討している人はぜひご覧ください!
フレックスタイム制導入1番のメリットは生産性向上!
むしろ、生産性を上げるためにフレックスタイム制を導入する。と言い換えることもできます。
フレックスタイム制は海外企業からの流れを受けて日本でも広まりつつある働き方ですが、根本にあるのは生産性を高めて会社としての売上が上がるからです。
フレックスタイム制で生産性が高まる理由や根拠を紹介します。
時間と生産性の関係
フレックスタイム制は働く時間を自分で決められる制度です。
この“自分で働く時間を決められること”が、私たちの生産性を大きく高めてくれます。
人が集中しやすい時間帯というのは遺伝子によって決まっています。
2017年のノーベル生物学・医学賞は、まさにこの体内時計を司る遺伝子についてで、世界的にも大きな注目を集めました。
体内時計は遺伝子によって決まることを言い換えると、朝強い人もいれば夜更かしが得意な人がいるのも遺伝子のタイプ次第ということで、この特徴は努力や慣れでは解決できないことでもあります。
フレックタイム制ではなく全員が同じ時間で働くことは、生産性が低い時間帯で働かなければいけない状況を作り出しているのと一緒なのです。
62%の人はベストな時間で働けていない
ノーベル賞を受賞したこともきっかけとなり、体内時計を決める遺伝子の研究は近年急速に進んでいます。
その中でも有名なのがクロノタイプ診断と呼ばれる、体内時計を4つのタイプに分類するものです。
クロノタイプ診断を元にして、現代人はどれだけ体内時計に適した時間で働いているのかを調べた結果、
自分に合う時間で働いている人はわずか38%。つまり62%の人はベストな時間帯で働けずに能力を十分に発揮できていないのです。
過半数以上の人が能力を発揮しきれていない現代において、フレックスタイム制で働く時間を選べることは、生産性を高め大きなメリットをもたらしてくれます。
モチベーションアップ
フレックスタイム制を導入するメリットとして、モチベーションアップもあげられます。
生産性を高めるためには、モチベーション=やる気も大切な要素となりますが、フレックスタイム制で時間を選べることは、仕事へのやる気にも大きなメリットを与えてくれるのです。
自治性がアップ
自治性とは”自分で物事を決められるか”であり、会社全体で固定された時間で働くのでなく、自分が決めた時間で働くことでモチベーションは高まります。
フロリダ州立大学でスティーブン・ハンフリーらが行なった、20万人以上のデータを元にした”仕事のやりがいに繋がる要素”を調べた研究だと、自分で仕事をコントロールできる感覚は25%もの割合を占めていたのです。
フレックスタイム制だと仕事の内容まではコントロールできなさそうですが、出勤・退勤の時間を決められることは仕事の進め方を任せてもらえることに繋がり、仕事への自治性は大幅に高くなります。
フレックスタイム制で時間を選べるようになると、やりがいを感じモチベーションアップ・生産性アップに繋がっていくのです。
ストレスが減る
フレックスタイム制の導入によって、私達のストレスが減るメリットも期待できます。
満員電車から解放される?
会社の始業時間は、8:30〜9:30の1時間で7割以上となります。
「9:00」「8:30」「9:30」という始業時間が多く、これで全体の7割を占めるという結果
参照:学生の窓口調べ より
そして、国勢調査等のデータからも東京都の人口は今後も数年間は増え続ける予測がされており、満員電車は解消されるどころか更に混み合うことが懸念されています。
このような事情から東京都や政府が主導して時間差出勤の実験もしていましたが、フレックスタイム制であればピークの時間帯を避けて出勤ができるようになります。
満員電車のストレスは恐ろしく大きい
出勤時間を前後できれば電車のピークを避けて出勤できるようになりますが、かといってストレスはどれほど減るのか疑問に思う人もいるでしょう。
しかし、満員電車のストレスは臨戦態勢にある兵士以上とも言われ、うつ病や心臓病の発症率にも関係するほど大きなストレスの原因となるのです。
フレックスタイム制が導入され、電車のピークを避けて出勤できるようになれば心も体にも良い影響があります。
ストレスが減れば仕事でのパフォーマンスや集中力も高まり、結果として生産性アップにも結びついていくのです。
フレックスタイム制のメリットは生産性以外にもある
フレックスタイム制は生産性を高める制度であり、導入のメリットがあるのは従業員より会社の方が大きい制度です。
従業員にも会社にもメリットがあるフレックスタイム制ですが、生産性向上以外にもメリットはまだまだあります。
採用の優位性が上がる
1つ目は採用の優位性が上がることです。
全く同じ条件の求人があった時、時間が固定された会社とフレックスタイム制で自由に選べる会社だとわざわざ時間が決まり切った会社を選ぶ人は少ないはずです。
転職サイトへの掲載では多様性のある内容が求められるように、人手不足が続く社会において時間に融通がきく事はアドバンテージの1つとなります。
採用の優位性が高まると人手不足で業務量が増えて疲れ切ってしまうこともなく、優秀な人材の採用で会社の業績アップにも繋がります。
働きやすく優秀な人材を確保できることもフレックスタイム制導入による大きなメリットの1つです。
無駄な会議が減る
会議を無駄だとする記事や風潮は増えてきていますが、立教大学の中原教授が行なった6,000人を対象にした研究だと、無駄な会議によって年に67万時間・15億円もの損失を生んでいると試算されました。(1万人規模の会社の場合)
1万人規模の会社で67万時間となると、一人当たり年間8日間は会議に費やしている計算となります。(8時間勤務で換算)
これだけ無駄を生む会議も、フレックスタイム制の導入で減らすことが可能です。
全員が同じ時間で働くなら、全部で8時間近い時間が会議で集まれる時間ですが、フレックスタイム制で勤務時間がマチマチになると集まる時間も限られます。
「会議ができなくて困る!」
って人も居るでしょうが、上記のデータからも分かる通り私たちは無駄な会議で多くの損失をしています。
フレックスタイム制で会議をしにくくなることは会議で多くの時間を無駄にしている事実を知り、改善のきっかけを作るメリットもあるのです。
企業での実例もあり
フレックスタイム制をきっかけとした会議時間の見直しは企業の導入事例からも参考にすることが出来ます。
三井物産ロジティクス・パートナーズ株式会社では、フレックスタイム制をキッカケに会議を1/8と大幅に減らすことができたと発表しています。
あわせて残業時間・人件費も下がるなどフレックスタイム制の効果がわかる事例の1つです。
子育てにも嬉しい
フレックスタイム制で時間の融通が利くと子育てなど家庭にもメリットをもたらしてくれます。
保育園に預ける時間やお迎えの時間で、会社と調整が必要な人も多いと思いますが、フレックスタイム制の導入をすれば問題が解決される場合もたくさん有るでしょう。
働く本人と会社だけでなく、家族までメリットがある幸せな制度でもあるのです。
病院や役所に行きやすい
頻繁ではないものの、何かしら発生するのが病院で検査をしたり役所で手続きにいく用事です。
病院は直接診てもらう必要がありますし、役所ではIT化が進んでいる所は少なく、有給休暇を取ったり土曜に窓口に行ったりと何かと面倒ですよね。
フレックスタイム制で時間の調整ができるようになれば、そのような苦労を減らしてくれます。
多少地味ではありますが、意外と嬉しいメリットの1つです。
フレックスタイム制でデメリットはあるの?
フレックスタイム制は、生産性アップをはじめ様々なメリットがある制度です。
メリットばかり紹介してきましたが、デメリットは何かあるのでしょうか?
取引先とのやり取り
考えられるデメリットとして、取引先とのやり取りがあります。
働く時間がマチマチだと、午前の早い時間帯や夕方過ぎの時間帯では連絡が付かずに対応が悪いと思われる可能性があります。
社会的にフレックスタイム制が浸透していけば理解も深まり多少連絡が遅れても問題ないでしょうが、ほとんどの会社が約9時〜約18時で働いていることを考えるとデメリットの1つになるかもしれません。
とはいえ、この問題はフレックスタイム制というより、そもそも個人に頼った属人的なやり方が問題と考えることもできます。業務のやり方を見直してチーム制に変えるなど、フレックスタイム制以前の問題点と考えられなくもありません。
職種が限定される場合はある
そもそもフレックスタイム制に適さない職種は存在しています。
サービス業のようにシフトや時間が決まっている場合には、フレックスタイム制は適さないでしょう。
会社内でも部署や職種により導入すると、不公平感が出る可能性はあるので、デメリットの1つとして考えておくべき項目でしょう。
その他はデメリットはほぼ無し!
取引先の対応について以外では、基本的にデメリットはないと考えます。
いくつかデメリットとしてあげられる項目はありますが、認識や解決策によってフレックスタイム制の導入をしない理由とまではいかないでしょう。
勤怠管理
勤怠管理がしにくくなるのをデメリットで考える人もいますが、勤怠管理ツールによって解決できるデメリットです。
むしろ、勤怠管理ツールすら利用していない場合や利用していても機能していない場合には、フレックスタイム制を機にツールを導入・活用することで管理が楽になる可能性すらあります。
コミュニケーション不足
働く時間がバラバラになると、コミュニケーション不足を懸念される人も多くいるはずです。
ですがこちらもデメリットとは言えません。
理由は、対面よりもむしろテキスト=文字ベースの方がニュアンスや表情に頼らずに伝えることができ、より深い議論になりやすいとするデータもあるからです。
フレックスタイム制にしても、全く会わなくなる事はないですし、会議のように本来無駄だったコミュニケーションの時間が減る可能性も高いため、単にデメリットとはいえないでしょう。
自己管理ができない従業員
自己管理ができない従業員はダメになる、と言ったデメリットの主張も見られます。
ですがそもそも、自立して生活しているべき社会人です。
会社が個人の自己管理まで見るべきなのか?には疑問がありますし、そこまで言うのなら貯金から出費まで会社が社員を管理するのか?という話になります。
自立している社会人という前提を忘れ、従業員への信用が無いことを発表しているに過ぎない主張です。
自立しているべき社会人に対して、フレックスタイム制で自己管理についてをデメリットにあげるのはナンセンスであると考えて良いでしょう。
フレックスタイム制は従業員も会社もメリット有り!
フレックスタイム制の導入におけるメリットと、考えられるデメリットについて紹介してきました。
メリットとしては、生産性アップが何よりのメリットでその他にもたくさんのメリットをもたらしてくれます。
反対にデメリットとして考えられる事はわずかしかなく、デメリットと言われることの多くは、根本的な問題が違ったり会社や管理者の過剰な不安によることがほとんどです。
だからこそ、国を挙げてPR活動をしたりメディアでも多く取り上げるなどしているのです。
私たちが本来持っている能力を最大限に発揮するために、フレックスタイム制の導入を考えてみてはいかがでしょうか?